ランドセルの説明って実は曖昧です
ソフト牛革 ってなんでしょうか?
時として、最初に意味無く作られた名詞がいつの間にか意味を持たされ、実態と離れたモノになるとがあります。その代表がランドセルの「ソフト牛革」です。 牛革だからなんとなく高価で良いものかも?牛革だから優れた機能かも?なんとなくイメージしてしまいます。が、試しに「ソフト牛革」をネットで検索してみましょう。答えがでません。恥ずかしながら私も大昔は疑問に思いませんでした。こんな根拠が出ない材料なのに、
「ソフト牛革だから通気性がよく吸湿性に優れていてムレにくい」
誰が実証したんでしょうか?不思議でなりません。
そもそも30年ほど昔、背中のソフト牛革がムレるから、背中の凹凸ステッチ加工が始まったハズです。その経過を知っている業者さんは背中素材のソフト牛革はムレることを知っているはずです。そのうえで、
「ソフト牛革だから通気性がよく吸湿性に優れていてムレにくい」 と説明しているとは思えないです。それでも疑問に思う方は「牛革 通気性」で検索してみてください。ちなみに昔は「ソフト牛革」しか材料がなかったので、採用されていただけです。 今は各素材メーカーさんより高機能な背中専用素材がリリースされいますので、どれがいいのか悩むところですが、実感として甲乙つけがたいしですね。
ランドセルの「約」の範囲も曖昧
お客様から、「約」の範囲を尋ねられました。「平均」だと思っていたのですが、ランドセルのサイズの場合は異なるというです。つまりそのお客様は「切上げ」表示になってると怒ってられるのです。
具体的には実測で大マチ幅11.8㎝が表示「約12㎝」、実測で幅23㎝が「約23.5㎝」と表示。 サイズ表示に「約」がつくからには、平均範囲なので、大マチ11.8㎝ではなく、12㎝、幅も23.5㎝の商品が希望だったらしいのです。
お客様の意見が間違いなく正論なので、弊社のランドセルをメージャーをもって測定開始です。 「ドキドキドキドキドキーーーー」 長かったです。息が詰まりそうでした。冷や汗タラたらですが、 全部大丈夫でした。
どうぞ気になるお客様はメジャーを用意しますので、遠慮なくお申し付けください。
ランドセル専門店ほど曖昧かも
ランドセルは高級品です。ましてや6年間使用するものだから、ご来店するお客さまも真剣ですし、説明する私たちも必死です。したがってランドセルの特徴をなるべく分かりやすく、正確にお伝えする義務があります。 たとえば「ソフト牛革」は、昔からある材料なのに、あたかも優れた機能があるかのような説明がみられると書きました。 それと同様に、「固定背カン」や「山型背カン」といった昔からの部品に、「**背カン」などと別の名前を付けて、新たなオリジナル部品のような表示をする場合もみられます。なにか意図しているのでしょうか? 部品や材料、サイズ表示など、ランドセル業界はあいまいな表現がおおいのですが、やはり正確性はランドセル専門店の義務だと思います。
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